見出し画像

世界有数のエンタメ企業を目指す──100万人に読まれた『監禁区域レベルX』作家兼経営者が語る野望

画像7

大石ロミー(おおいし・ろみー)
作家兼代表取締役CEO。2014年にtaskeyを創業。2017年12月、e-Storyアプリ「peep」をリリース。また、アマゾンプライムの原作を募集したAmazon×よしもと原作小説大賞で自著『エスカレーターボーイ』が大賞を受賞。近著に『監禁区域レベルX(双葉社)』、『自殺投票(講談社)』などがある。

━━大石さんにとって、編集者とはどんな仕事ですか?

その編集者がいなければ生まれなかった結果を作ること」が編集者の役割だと思っています。

小説にしろマンガにしろ、編集者がいなくても成り立つという説もあります。それこそ小説であれば、小説投稿サイトである「小説家になろう」が日本だと存在感が大きいかと思いますが、「小説家になろう」は編集者不在のコンテンツで月数億PVを稼いでいます。
「才能」の発見をするという編集者の大事な仕事の1つがクラウド化された瞬間だと思います。
「小説家になろう」に限らず、様々なプラットフォームのランキングや再生数、RT数など何かしらユーザーによって見える化された数値を元にスカウトしている編集者も増えているはずです。
そういう意味ではネット上で才能が可視化されたクリエイターを見つける作業自体は、編集者の仕事とは言えなくなってきている。

では編集者が介在する価値とは何なのか。僕は「作品と作家に伴走する、プロデューサーとしての役割」にあると考えています。
例えば、億単位の売上を作った『監禁区域レベルX』は僕が作者で、当初は編集者不在で自分ひとりで大きくしていました。今では編集者がつき、マンガ化など様々なメディアミックスの話が来ています。作品や作家の才能を拡張することこそが編集者の仕事の1つだと思います。


━━億単位!すごい売り上げですね。

実績まで公言するのは初めてですが、これまで累計100万人以上のユーザーに届いています。スマホでエンタメを楽しむという文脈でいくと動画やマンガなどの情報量が多いリッチコンテンツがフューチャーされがちですが、テキストコンテンツでもしっかりと実績を作れたことに確かな手応えを感じていますね。ここから更に読者の目に触れる機会も増えていくと思います。

この実績を作ることができたのも、いわゆる編集者の存在が大きく、作家である自分一人では作れなかった成果だと思っています。

だから、僕たちの会社ではコンテンツを作るだけではなく、読者に届けるあらゆる戦略を練って実行することが重要だという意味合いを込めて、編集者を「コンテンツプロデューサー」と呼んでいます。


━━コンテンツプロデューサー!

社員の名刺でも「Contents Producer」と表記していますね。


━━『監禁区域レベルX』にコンテンツプロデューサーがついたことで、どのような変化がありましたか?

コンテンツプロデューサーが一番目の読者になるので、その反応を見れるようになったことが大きいですね。マンガ化も、僕一人じゃできなかったことです。

社内には僕と同様に、作家として作品を書きつつコンテンツプロデューサーとして活躍している人間が密に連携しています。チーム全員で「peep」の全ての作品の質を底上げしている実感がありますね。

画像7

━━「peep」は、どんなサービスを目指していますか?

人々がスマホでエンタメを楽しむようになった現代だからこそ、既存の読ませ方に引きずられない新しい表現方法で物語を演出したいと考えています。

小説やマンガは、紙という媒体が存在していたからこそ生まれた表現方法ですよね。
僕たちは、スマホが大きな役割を占める時代に生きているからこそ、そのテクノロジーにフィットする形で物語を届けることで「peep」の作品たちを大きく広げていきたい。

そういった意味を込めて、昨年度、弊社が提供してきたサービス形態である「チャット小説」「チャットノベル」という呼称を、電子媒体(electronic)から生まれた物語(story)という総称で「e-Story」と改めて命名しました。

現在の累計資金調達額は8.4億円を超え、マーケットからの期待値も肌で感じながら急成長を続けています。

━━大石さんが思う、e-Storyの強みはどこでしょうか?

あらゆる人へ物語を届けられることだと思います。
それが、たとえ普段小説を読まないような方々でも。

現在、世界中で何十億人もの人がスマートフォンを持っています。その何十億人もの人に、作品を届けられる可能性があることが強みだと思っています。映像だって、音声だって、イラストだって、電波に乗せて国境を超えて届けることができます。

昨年、「peep」のアメリカ版もリリースしましたが、それも実行のハードルが高い「出版」ではなくe-Storyアプリだからこそできたことです。

━━「peep」ならではの作品の作り方はありますか?

とにかく、徹底的に数字を見ていますね。「CTR」「読了率」「課金率」。生々しいですが、コンテンツプロデューサー全員で数字を見ています。ユーザーが物語のどこで離脱したのかなど、すぐに可視化されるツールも存在しています。

一方で、そういった数値を見る「サイエンス」の要素だけではなく、「アート性」も重要視しています。

画像9


━━「アート性」とはどういったものですか?

直感を含む、作品への信念なのかなと思っていますね。

もちろん先程お伝えした「サイエンス」、いわば「打率」はビジネスマンとして重要です。ただ、コンテンツプロデューサーと作家が絶対的にその作品を信じている場合は、思い切り打席に立ってホームランを狙って欲しいんです。

公開後すぐに数字が良くないからといってすぐに切り捨てるのではなく、コンテンツプロデューサーと作家の双方に強い信念のある作品であれば、継続連載のゴーサインを出します。

実際に、根気強く連載して時間が経ってからヒットしたケースもあります。
プロデューサーとして、公開後もプロモーションを試行錯誤したり表紙などのパッケージをリデザインすることで、今では多くの読者を楽しませている作品がありますね。

画像7


━━新しい作品を生み出す時、どこに一番重きを置いていますか?

弊社の株主の一人である武市 智行さん(元スクウェア・エニックス会長)ともよく語るのですが、なにより作るものに「”驚き”と”感動”があるか」ですね。

これだけ様々なエンタメが溢れている世界では、その作品の面白さを一言で表すことができる「新しさ」がなければ、読者は驚かないと思うんです。
そして、その物語の「奥行き」がなければ、人を感動させることはできないと思っています。

━━今の「peep」に必要な作品を教えてください。

21世紀、 世界でもっとも読まれる物語」です。

20世紀では『ダ・ヴィンチ・コード』が出版物として8000万部を売り上げましたが、peepからもe-Storyの領域で1億人規模で楽しまれるようなコンテンツを生み出していきたいですね。

━━「peep」で新しい取り組みのビジョンがあれば教えてください。

映像などの、テキスト以外のフィールドへも踏み込んでいきます。
弊社のサービスは「e-Story」であり、テキストに拘る必要はなくなりました。ですから、作品の世界を拡張できる手段はどんどん挑戦していくことになります。我々はチャット小説アプリの会社ではなく、エンターテイメントとテクノロジーの会社です。


━━全編映像のコンテンツも…?

もちろん!近々出ると思いますよ。現在「ショートムービー」領域も仕込んでいますので楽しみにしていてください。

画像7



━━「peep」のコンテンツプロデューサーに求める像を教えてください。

作品を多くのユーザーに届ける執念を持っている人ですね。

例えば、漫画雑誌の編集業務は、数十年の歴史やブランド力の上に成り立っています。そのフィールドで「いい作品」を作ることと、スマホ上の「e-Story」というフィールドでヒットを作ることは大きく異なります。
スマホ時代の読者の時間は限られていて、死ぬまでに触れることができる作品の数も限られています。経験を活かしつつも、作品を手にとってもらうあらゆる工夫を凝らす必要があるのです。

だからこそ、あえて断言すれば、「編集者」は要りません。
あらゆる工夫を凝らしてコンテンツを打ち出していく「コンテンツプロデューサー」を求めています。

「21世紀世界で最も読まれた作品だった」と言われる作品を生み出す強い意志を持ったコンテンツプロデューサーに、ぜひ応募していただきたいです。

画像9


━━大石さんイチオシの作品を教えてください。

もちろんたくさんあるんですが、自らの口で一つだけ語るとすればやはり『監禁区域レベルX』ですね。

「peep」のサービスを開始した当初に私自身が書き下ろし、長期のヒット作となり現在までシリーズが続いています。先日マンガ化もされました。多くの人に愛される作品を生み出すことができて本当に嬉しく思っています。
この作品のおかげで今の「peep」と仲間たちがあるので、自分で書いた作品に対して不思議な感情ではあるのですが、作品そのものへの感謝すら感じています。

監禁区域レベルX

peep屈指のヒット作『監禁区域レベルX』

━━taskeyの好きなところを教えてください。

我々は「OWNERSHIP」「GRIT」「ENTERTAINER」の三つをバリューとして掲げていて、この3つを兼ね備えた人が多いことですね。

作品に対しては大きな熱量を持ちつつ、人格としては柔和な人も多い印象です。

スクリーンショット 2020-10-06 13.57.31

最後に、taskeyに興味がある人へメッセージをお願いします!

アメリカであれば「ウォルト・ディズニー・カンパニー」、「ネットフリックス」、中国であれば「テンセント」。エンターテイメントの巨人がアメリカや中国にあります。

弊社は、IPとなる作品とともにpeepというメディアを大きく育てて、ミッションである「21世紀、 世界でもっとも読まれる物語を生み出す。」を必ず達成したいと考えています。僕たちは必ず世界でも有名なメディア・エンターテイメント・カンパニーになります。

歴史が動く瞬間になると思います。その瞬間に「立ち会いたい」人というよりも「自分こそが歴史を動かせる」という強い想いを持ってエンタメを創りたい人は、ぜひ一緒に実現しましょう。

画像7


taskeyでは一緒にエンタメを創る仲間を募集しています。

ご興味をお持ちいただけた方は、お気軽にコーポレートサイトからお問い合わせ下さい。
https://taskey.co.jp/recruit.html




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?